老後に自己破産するのはどんな人?原因と対策を解説

みなさんは、「老後破産」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか?

日本は世界に誇れる長寿国である一方、高齢化社会と言われるほど国全体の平均年齢が上がってきています。それだけ平均寿命が延びているという喜ばしいことなのですが、長い老後生活に耐えきれず、自己破産をする方が増えてきています。これが老後破産です。

今回は、この老後破産について詳しく解説していきたいと思います。

社会的にも問題となっている「老後破産」

昨今において、老後破産は社会的な問題となってきています。
60歳や65歳で定年を迎えた後、その後の年金生活で収入以上の支出が続いてしまい、いずれは貯蓄までなくなってしまった結果、老後破産をしてしまうというわけです。
老後破産が悪いというわけではありませんが、今まで築いてきた財産を失ってしまうことからも、避けられるに越したことはありませんよね。

当てはまる人は注意!老後に自己破産する原因7つ

では、どういった場合に老後破産へと発展しやすいのでしょうか?
老後に自己破産する原因を7つまとめてみましたのでご参考ください。

①退職金が少ない・もらえない

一昔前は当たり前のように退職金制度を採用している企業がありましたが、昨今の経済不況を受けて軒並み廃止傾向にあります。また、退職金がもらえたとしても、数年前と比較すれば減少傾向なのは言うまでもありません。そもそも、退職制度は会社を経営する上で必ず設けなければならない制度ではないため、採用しない企業が増えてきています。
もはや、老後の生活を退職金任せにできる時代ではないということです。こうした退職金制度の廃止、減少傾向から、老後破産へと発展するケースが増えてきています。

②預貯金が少ない・ない

一般的に、企業に勤めている方は定年後には年金収入で生活することになります。しかし、年金だけでは生活費が足りず、臨時出費に対応できないケースが多発しています。それを補えるだけの預貯金があれば良いですが、近頃では物価高の影響も強く、老後に十分な預貯金を用意できない、そもそもない、という方がたくさんいらっしゃいます。

また、最近では老後2000万円問題も話題になりましたよね。老後2000万円問題とは、金融庁が「老後20~30年の間に1300~2000万円が不足する」という試算を出し、物議をかもした問題です。このように、平均寿命が延びたことによる老後の問題は、もはや他人事で済ませることはできず、それに相乗する形で老後破産が増えてきているのです。

③子どもがまだ自立していない

日本の経済状況の悪化は、晩婚化にも大きな影響を与えています。

子どもを産むのが遅くなると、定年に達した時点でまだ自立できていないといったこともめずらしくはありません。となれば、引き続き子どもの学費の負担や生活にかかる負担が大きくのしかかってきます。当然、年金だけで賄えるような金額ではありません。仮に子どもが自立したとしても、前項で触れた貯金がまったくできていない状態になるケースが多く、老後破産へと発展してしまうケースが多発しています。

④住宅にかかるお金が大きい

晩婚化が進んでいるということは、家族と過ごす憩いの場である自宅を購入するタイミングが遅くなっていると言い換えることができます。そのため、住宅ローンの完済が定年後まで続くといったケースはめずらしくなく、70歳まで続くローンを組んでいる方もいらっしゃいます。その他、管理費や修繕積立金の負担が大きくなっていて、維持費が家計を圧迫した結果、生活が破綻してしまう、といったケースも現実には数多くあります。

⑤病気になり医療費が増える

年齢を重ねるということは、それだけ身体が弱くなっていくことになります。
以前は簡単に治った病気であっても、長引いてしまったり、身体の不調があちこちから出てくることになりますよね。となれば、病気もケガもしやすくなってしまうことから、自然と医療費は増えていくことになります。この医療費が家計を圧迫してしまう点も、老後破産へとつながる原因の1つです。

⑥受け取れる年金額が少ない

昨今では、フリーランスといった言葉が生まれるほど、個人事業主が増加傾向にあります。しかし、一般企業に勤めている方が加入している厚生年金保険と異なり、個人事業主の方が加入することになる国民年金保険は、将来もらえる年金額が少なくなっています。これを補うために、個人で確定拠出年金などの積み立て型の保険を契約していれば、多少は将来への不安も軽減されるところですが、支払い負担を考えると難しいのが現実です。年金額が少なくなれば、それだけ生活が苦しくなってしまうため、老後破産へと繋がることになります。

⑦生活水準を落とせない

年金生活がスタートした後は、収入があったころと比較すれば、どうしても生活水準を落とさないわけにはいきません。現役時代の生活水準をいつまでも続けていれば、いずれは貯金も底をつくことになります。このように、生活水準を落とせないために、老後破産へと至ってしまう方もたくさんいらっしゃいます。

老後破産にまるわるウワサ3つ

この章では、老後破産について巷でウワサされている内容は、果たして本当なのか嘘なのか、詳しく見ていってみましょう。

「年金暮らしだと自己破産が認められない」は嘘!

年金暮らしだからといって自己破産が認められないといったことはありません。
自己破産に年齢制限はありませんし、仮に借金が少額であっても支払い不能が事実であれば、借金は免除されることになっています。年金があるということは、固定収入があるということなので、自己破産できないと考えている方も多いですが、これは紛れもない嘘です。

「自己破産すると公的年金がもらえなくなる」は嘘!

自己破産をしても、これまでと変わらず公的年金をもらうことができます。
自己破産の際に問題になるのは、公的年金ではなく私的年金の中に分類される個人年金です。私的年金とは、「確定給付企業年金制度」や「確定拠出年金制度」といった公的年金に上乗せされる形で給付される企業年金と、保険会社や証券会社などが提供している個人年金があります。企業年金については自己破産における差し押さえ禁止財産に含まれますが、個人年金は手続きの中で解約され、解約返戻金は債権者への配当に充てられてしまうため注意が必要です。

「年金を差し押さえられることがある」は本当!

給付されている年金そのものについては、原則的に差し押さえ禁止財産に該当しているため、たとえ自己破産をしても差し押さえされる心配はありません。しかし、一度口座に入ってしまった場合、単に預貯金として取り扱われ、差し押さえの対象になる危険があります。
また、すでに廃止されている制度ではありますが、過去に年金担保貸付制度で借入をしていた方が自己破産する場合、将来もらえる年金が少なくなってしまうため注意が必要です。

老後破産しないためにできること4つ

では最後に、老後破産しないために今からできることについて4つ紹介していきます。

①老後の生活費や支出を試算してみる
②支出を抑える
③収入を増やす
④今から健康的な生活を心がける

老後の生活費や支出を試算してみる

老後の生活費や支出について試算してみることで、老後破産を回避できる確率がぐっと高くなります。日本だけでなく、世界的に長寿化が急激に進んだことから、2人に1人が100歳を超えて生きる、「人生100年時代」が到来するといった予期もされています。
一昔前では信じられないことですが、お金の試算をするのであれば、100年を前提にしておくと間違いないと言えるのかもしれませんね。

支出を抑える

定年後というのは、どうしても収入が落ち込んでしまうものです。となれば、今までと同じ生活水準で生活をしていれば、あっという間に資産が枯渇してしまいます。
資産の枯渇を少しでも遅らせるためにも、生活水準を下げたり、住居費を抑えるために引っ越しを行ったりなど、支出を抑えることは老後破産の回避に直結します。

収入を増やす

定年したからといって、もう仕事ができないわけではありません。定年後も働いている元気な方はたくさんいらっしゃいます。たとえば、地域のシニア向けの求人を探してみたり、市区町村役場が実施しているシニア向けの就労支援セミナーに参加してみるというのも、収入を増やすきっかけになってくれます。ただし、収入を増やしたいがために、安易な投資を行うことはやめましょう。投資詐欺は世の中に数えきれないほど蔓延しています。どうしても投資をしたいのであれば、しっかりと勉強し、知識をもとに行うようにしてくださいね。

今から健康的な生活を心がける

今のうちから健康的な生活を心がけることは、老後破産の防止へと繋がります。
高額な医療費が経済的な負担となり、老後破産へと繋がるケースは多くあります。バランスの良い食事を意識し、日頃から運動を継続することで老後も健康に過ごすことができます。病気やケガを予防できれば、医療費が家計を圧迫する心配はありません。

まとめ

老後破産はどれだけ対策していたとしても、誰にでも起こる可能性があります。

老後に自己破産することが悪いなんてことは一切ありません。どうしても資金繰りが苦しいのであれば、自己破産も選択肢の1つに間違いなく含まれます。いざというときは、自己破産という選択肢があるということを、今のうちから認識しておくのが良いでしょう。なにも老後まで苦しい借金生活を送る必要はありません。老後破産後は、生活保護という制度があるため、生きていくのに困るといった心配は一切ないのでご安心ください。

しかし、可能であれば老後破産は避けたいというのも心情です。となれば、なるべく支出を抑えるようにし、出来る範囲で老後の貯蓄を蓄えておきましょう。
ただし、すでに自己破産を検討しているという方は、早めに専門家に相談するのが良いでしょう。自己破産は手続きを取るのが遅くなれば遅くなるほど、将来に影響することになります。自己破産の決断が早ければ、老後への影響も少なくすみます。

過払い金債務整理のご相談

問い合わせフォーム >
相談無料 通話料無料
借金のご相談、まずはお電話ください!
フリーダイヤル 0120-77-9674
借金減額のご相談は 0120-77-9674